中目黒駅のすぐ近くに、400年以上の歴史を持つお寺があるのをご存じでしょうか。
日曜日の朝、近所を散歩しながら「実相山 正覚寺(しょうがくじ)」にお参りしてきました。
駅前の賑わいから少し入るだけで、空気がふっと変わる場所です。
■ 木の山門をくぐると、別世界

黒い瓦屋根の山門。奥に参道と本堂が見えます
まず迎えてくれるのが、重厚な瓦屋根の山門です。背景には緑青色の屋根をもつ大きな建物があり、和の建築がぎゅっと集まった景色に思わず足が止まりました。

参道の両脇にそびえる2本の大イチョウ
参道の両側には、空を覆うほどの大イチョウが2本そびえています。この日はまだ青々としていましたが、もう少しすると境内一面が黄金色に染まるはずです。
■ 正覚寺はどんなお寺?
正覚寺は元和5年(1619年)に日栄上人によって開かれた日蓮宗のお寺です。仙台藩の伊達家と縁が深く、本堂は四代藩主・伊達綱村の生母である三沢初子の邸宅の部材を活用して建てられたと伝えられています。

龍や鳳凰の彫刻が見事なお堂
近くで見上げると、軒下の龍や鳳凰の彫刻がとても精緻で、しばらく見入ってしまいました。金色の飾り金具が朝の光を受けて、上品に輝いていました。

お堂の前から境内を望む。右手は鐘楼です
お堂の前から振り返ると、白い壁と緑の屋根の建物、そして鐘楼が並ぶ広々とした境内が見渡せます。都心とは思えない開放感です。
■ 「政岡」のモデル・三沢初子ゆかりの地

三沢初子(政岡)の銅像と石碑
このお寺を語るうえで欠かせないのが三沢初子です。伊達家のお家騒動(伊達騒動)を題材にした歌舞伎「伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)」の乳母・政岡のモデルといわれる女性で、境内にはその銅像が建てられています。墓地には初子のお墓があり、東京都の指定文化財になっています。
幼くして藩主となったわが子の無事を祈り続けた母、という物語を知ってから銅像を見ると、凛とした立ち姿に胸を打たれます。
■ 子育ての守り神・鬼子母神と、境内の見どころ

朱塗りの六角堂と、千羽鶴が奉納された石仏のお堂
正覚寺には、三沢初子が祈念したとされる鬼子母神像がまつられており、子授け・安産・子育てのご利益で知られています。毎月18日の縁日にはご開帳があるそうです。境内の小さなお堂には色とりどりの千羽鶴が奉納されていて、たくさんの祈りが寄せられていることが伝わってきました。

大イチョウの下に建つ石の鳥居

笑顔がたまらない布袋さまの石像と手水舎
手水舎の横では、大きなお腹の布袋さまがにっこり笑っていました。思わずこちらまで笑顔になる表情で、個人的にはこの日いちばんのお気に入りです。
また、400年以上続くお寺は、言わば究極の長寿組織です。三沢初子の帰依をきっかけに支えられ、時代ごとに守り手を変えながら受け継がれてきた歴史は、事業承継に向き合う中小企業にも通じるものがあると感じました。
■ 基本情報
・名称:実相山 正覚寺(日蓮宗)
・住所:東京都目黒区中目黒3-1-6
・アクセス:東急東横線・東京メトロ日比谷線「中目黒駅」から徒歩約5分
・創建:元和5年(1619年)
・見どころ:三沢初子の銅像・お墓(都指定文化財)、鬼子母神、大イチョウ、布袋さまの石像
・御朱印:9時〜16時に授与とのこと(訪問前にご確認ください)
■ こんな方におすすめです
・中目黒でカフェや桜以外の「静かな時間」を過ごしたい方
・子授け・安産・子育てのご利益をいただきたい方
・伊達騒動や歌舞伎「伽羅先代萩」が好きな歴史ファンの方
・これからの季節、イチョウの黄葉を楽しみたい方
毎日のように通る中目黒にこんな歴史があったとは、正直、住んでいながら知りませんでした。イチョウが色づく11月下旬ごろに、もう一度訪れてみたいと思います。
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